column コラム

コミュニケーション

「この人にもっとしてあげたい」と思わせる人への頼み方

人にものを頼むときは「自己重要感」を忘れずに

1ヶ月ほど前、奥さんととあるスーツ専門店へ行きました。
来年成人式を迎える孫へ買う、スーツの下見のためです。

ショップでは、とある青年Aさんが応対してくれました。
彼の接客態度はとても真摯で、こちらの話を真剣に聞いてくれるその姿がとても印象に残っています。

その日は下見だけの予定だったので、最後に名刺をもらって帰りました。
彼がいる時に、孫を連れて改めて訪問したいと思ったからです。

優しい接客

そこから数週間後。
電話で彼がその日いるのを確認した私は、孫を連れて同じお店を訪れました。
その日は丁度日曜日。かなりお店は賑わっていました。
忙しいだろうに、そんな素振りは見せずに私たちを笑顔でむかえてくれたAさん。

「試着しましょう!まずはシャツからですね」

といくつものスーツを試着させてくれました。
その間約2時間。お店の中は結構バタバタしてるのに、ですよ!
ずっと笑顔で孫や私たちに接してくれていました。

スーツは結局、店頭分だとサイズが合わず取り寄せることに。
しかし後日、奥さんと孫が受け取りのためお店に寄ったところ、前回以上に丁寧な応対をしてくれたと感動していました。

人の「自己重要感」を上げる

人を動かすためには、その人の自己重要感を高めてあげることが必要です。

「自己重要感」とは、「自分こそ、目の前の人から必要とされているんだ」という感覚、思考と思ってください。

コミュニケーションにおいて、俺・私こそが主役だ!と思ってしまうと一方的な押し付けになってしまいがちです。
押し付けられたことを「よし!がんばるぞ!」と気持ちよく取り組んでくれる人は、おそらく聖人君子かなにかでしょうし、そんな人は滅多にお目にかかれません。

人は、「自分を主役にしてくれた人のためにはどんどんしてあげたくなる」のです。

今回の例でいえば、(もちろんAさん本人の資質もありますが)Aさんの自己重要感を高めたからこそ、快い対応をしてもらえたといえるでしょう。

私は来店した後日、件のお店へ電話をかけてAさんがいる日を確認しました。
そのことはきっと彼の耳にも届いたことでしょう。
「あの日来店された方が、私を指名してくれたんだ」という思考が「他でもない自分を選んでくれたんだ」という自己重要感の上昇につながったのです。

自分自身を唯一として選んでくれた対象者へは、自ら働きかけたくなるもの。

今後、コミュニケーションにおいて「自己重要感」というワードを忘れずに覚えておきましょう。

私は常に、15個の自己重要感を書いたカードを持ち歩いています。
人と会う前に必ず目を通し、相手ファーストのコミュニケーションを忘れないために。
「コミュニケーションの相手は自分でなく相手」と上畠はいつも思ってます。

今回はここまで。また来週、お会いしましょう。

次回→ to be continue…

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