苦手な人との付き合い方
みなさんは「怨僧会苦」という言葉をご存じですか?
憎い人と会わなければならない苦しみを意味し、2500年前お釈迦さまが語ったありがたいお言葉のうちの一つです。
ここでいう「憎い」とは、「嫌い」「苦手」という言葉に言い換えてもよいでしょう。
こんなにも昔から、人は苦手な人との付き合い方に苦悩し、さらにそれらは生きる上でほとんど必ず付き纏う苦悩だと言われてきたのです。
苦手な上司、言うことを聞かない部下、へそ曲がりの顧客、常識のない親戚、etc…..
どうです?言葉を見ただけで嫌気がさしてきませんか?
しかし、会いたくないけど会わなければならない機会というのは社会人になれば必ず訪れるものです。
苦手な人と会う苦痛
「四苦八苦して」などと言いますが、この「四苦八苦」という言葉の起源が仏教というのはご存じですか?
人が生きる上で抱えることになる大きな四つの苦しみ、「生・老・病・死」。
これらとは別に後天的、心的に与えられる四つの苦しみとを合わせて八苦。
少しややこしいですね。
・愛別離苦
・怨憎会苦
・求不得苦
・五陰盛苦
これらが後天的な苦しみです。
愛する人と生き別れる苦しみ、憎い人と会わなければならない苦しみ。
欲しいものが手に入らない苦しみ。
最後の五陰盛苦はそれまでの七苦の統括的な苦しみを指しています。
これらすべて私たちの生きていく上でほとんど切って離せないもの。
避けようにも避けられないものがこれらの苦痛なのです…
「怨僧会苦」に関していうならば、たとえば上司がとても苦手なタイプだったとしましょう。
直属の上司のため、避けようにもさけられない…
社会人として生活する上で必ず誰しもが抱える問題でしょう。
【結論】怨僧会苦、その軽減方法とは
では、私たちはこの辛さを抱えたままずっと生きていかなければならないのでしょうか?
結論から述べるとするなら、NOです。
方法としてまず挙げられるのが
「自分のことをよく理解すること」です。
自分への理解を深めることが、なぜ苦痛を和らげる方法につながるのでしょうか?
それには、「他者理解」が関係してきます。
自分をより深く理解することで、他者との「価値観の違い」が明確になります。
明らかとなった差異は、自己視点の多角化につながります。
つまり、今までみえてこなかった部分が見えるようになる…ということです。
今まで見えていなかったことが見えるようになると、「苦手だなぁ」と感じていた人の意外な一面が見えてきます。
そこからその人に対する態度を改めるもよし、苦手なままであれば対処法を編み出すもよし。
新たな可能性が広がるようになります。
自分自身の理解を深めることと他者理解とは密接な関係で結ばれており、さまざまな部分でプラスに作用する意識変化がおきてくるのです。
これらの他にも、対話相手の価値観や多様性を拒絶するのではく、理解するに努めるというところも大事なポイントとなってきます。
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さて、今回のお話はここまで。
それでは次回にまたお会いしましょう。
次回⇒
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